第14章 甘い朝はいかが?
リヴァイがフィンの隣に座り込み、淹れたての紅茶を飲む。
「…………美味い。」
リヴァイのその一言で胸が熱くなる。
フィンは無言で兵服のかけられたハンガーに向かっていき、リヴァイの綺麗に折り畳まれたシャツを片手持って歩いてきた。
「あの…………誰か来る前に…………着てください。
目のやり場にも困ります…………。」
と俯きながらフィンは白いシャツをリヴァイに差し出す。
リヴァイがフィンの華奢な腕を引っ張り抱き寄せる。
「そうだな。誰かに見られたら困るだろう。」
とリヴァイが低い声で囁く。
「…………フィン。」
リヴァイの手が顎に触れ、持ち上げられる。
「お前が着せろ。」
「え。」
豆鉄砲を食らった面構えになりフィンの顔はさらに赤くなる。
リヴァイの予想外の言動にフィンの心臓はうるさく鳴り響く。
「早くしないと誰かが来るかもな。」
リヴァイがドアに向かって歩いていく。
ガチャンッ。
鍵を開けた。
「早くしなきゃな。」
リヴァイがやたらと煽ってくる。
隣にリヴァイがドカッと音を立てながらソファーに深く座る。
リヴァイは快適そうにソファーの背もたれに身をのばし片手をのばし、指先でティーカップを弄ぶ。
フィンは顔を真っ赤にしながらリヴァイの方に体を向ける。
美しいリヴァイの裸体に添えられたティーカップはまるでどこかの王子様の迎える朝だ。
召使いになった心構えで乗り切ろう……!!
震える手でそっとリヴァイの手にシャツを通した。
目の前にリヴァイの深い溝を作った筋肉のついた胸元が視界いっぱいにうつりこむ。
顔から火が出そうになりながらなんとか両腕にシャツを通す。
シャツをたぐり寄せてボタンを閉めていく。
恥ずかしさのあまりフィンは下に俯く。
リヴァイがすぐにフィンの顎を持ち上げる。
「おい。ちゃんと見ろ」
と命令口調で言い放った。
フィンは刺激が強すぎるので目を細めながらリヴァイの首元から胸元へとボタンを閉めていく。
最後のボタンを閉めてすぐにリヴァイから離れる。
「……欲しそうな顔だが?」
とリヴァイが鼻で笑った。