第14章 甘い朝はいかが?
リヴァイがフィンの左肩に顔をうずめる。
フィンの頬にはリヴァイの寝癖のついた柔らかい黒髪が頬を掠めて行った。
「………………ハァッ。リヴァイさんっ。」
肩の痛みにフィンは顔を少し歪ませる。
「…………………………」
リヴァイが黙ったまま反対の肩に顔をうずめる。
フィンはリヴァイの熱い鼓動を感じながら
「おはようございます……。寝ぼけてます…………?」
くすっとフィンは笑いながら右肩に顔を向ける。
フィンの指先はリヴァイの黒髪をイタズラに絡ませる。
やわらかい毛の感触と気分時どきに表情を変えるリヴァイ。
まるで黒猫みたい……可愛いと思いフィンの頬は赤面する。
「あぁ。寝ぼけている。」
リヴァイがそっとフィンの唇奪う。
昨日の激しいキスとは反対の優しいキスだった。
ちゅ・・・ちゅっ・・・小鳥がついばむかのような軽いキスをフィンは受け止める。
リヴァイの長く細い指先がそっとフィンの胸元に滑り込んでくる。
「ふぁッん・・・」
と小さく鳴いて、リヴァイの手を掴む。
「紅茶冷めますよ……?」
赤くなりながらリヴァイにつぶやく。
リヴァイの手がそっと胸元から離れる。
「…………。
お前が欲しくなったら俺をくれてやる。」
リヴァイがフィンの赤く染った耳元で囁いた。
リヴァイの突然の強気な発言にフィンは噴き出す。
「あぁ?・・・何笑ってるんだよ。」
とリヴァイに頭を鷲掴まれてグイっと強引に顔を向けられる。
「……だって……昨日までは……みんな取り合いって言ってたのに……
今度は…………リヴァイさんをもらう…………話になってて…………話が変わってる気が…………」
と言葉を気まずく選び肩を震わせながらフィンはクスと赤い顔で笑う。
リヴァイの三白眼が冷たく光る。
「ほう…………お前、昨日はあんなに善がってたのにな。
処女のくせに。」
立場が逆転する。
フィンは顔を真っ赤にして紅茶をティーカップに注ぎ
ソファーの近くのテーブルに足早に逃げ込む。
カチャリ。と音を立てティーカップを並べる。
「紅茶冷めますよ。どうぞ。」
と顔を仰ぎながらフィンはリヴァイに笑いかけた。