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≪進撃の巨人≫ 蒼翼の天使 

第13章 ●眠り姫の隣 Levi Side



フィンの乱れたシャツを着ている姿をみて自己嫌悪に陥りながらリヴァイは自分のシャツを着せていく。


ボタンを留めながら自分のつけた紅いキスマークが目に入る。


昼間にモブリットが血の繋がってない兄貴に付けられた
と浮かない表情で言ってやがった。


フィンにその行為をしていたと考えただけで虫唾が走る。

昨日の昼に紅茶屋での奴の視線は兄の目ではなく、男の目をしていた。


どうしようもない黒い感情が沸々と苛立っていく。

嫉妬という感情が自分にもあるんだと驚きながら呆れてため息が漏れる。


ボタンを閉めながらフィンの胸元に視線が止まる。


再び大きくなりそうな肉棒に視線を落とす。


おいおいおい。待て待て待て。
盛りのついたガキか、お前は。

リヴァイは自分の意思に反して大きくなる別の自身に治まれ……言いきかせる。
落ち着きを取りもどした息子はゆっくりと下着の中に身をおさめた。




そっとすーっすーっと眠るフィンの額にキスを落とす。


フィンの小さな手を握る。

包帯が痛々しい。


なぜコイツは、簡単に自分の身体を傷つける?
他人のためになら、自分の身を投げ出すのか?


きっとコイツは仲間を守るためなら自分の身を巨人食われることも怖がらないだろう。


昼間の苛つきの正体はコレか。
コイツの身体が傷つくことを俺は忌み嫌っている。


何故・・・コイツを特別に想うんだろう。

リヴァイは眉間に皺を寄せ考え込んだ。


納得のいく答えに辿り着いたものの認めると、終わりそうな気がした。
そっとその想いにまだ気付かないふりをした。


フィンには自分の持っている、生き延びる術を全て教え込もう。

コイツにすぐに砕けるガラスような、壊れやすそうな。
そんな一面をどことなく感じる。




この身体にもう傷一つ
付かないように俺が守ろう……。


小さな手にそっと口づけをする。

リヴァイは瞼を閉じる。

心地のいい眠りにゆっくりと身をゆだねた。


{Levi Side Fin}

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