第11章 二人からのお誘い
「・・・・私だけ・・・。」
フィンは吐き出すようにつぶやいた。
「お前が捕まることを奴は望んだのか。」
リヴァイがフィンに
怒りの色を見せる。
「アイツもそんなことは望んでいない。」
フィンはリヴァイの言うアイツ、
ファーランのことだと悟った。
しばらく俯くフィンをみな黙って見守る。
「・・・・・そうするのが一番いいだろう。
憲兵団の頭のナイル・ドークは
”か弱い乙女”に弱いしな。」
とエルヴィンが懐かし気に呟いた。
「・・・・・・・わかりました。
ハンジさんの言うとおりに話します。」
フィンは瞳を潤ませて呟いた。
「つらい選択だろうが、
フィンにとって最善の策だろう。」
ミケが腕を組みながらやっと口を開いた。
「・・・・・きっとつらいのは私じゃない。」
とフィンは呟いた。
「話は終わったな。
こいつは俺が預かる。」
とリヴァイが席を立つ。
「え?」
とハンジとミケの驚いた顔が
フィンの目に映る。
腕を引っ張られてフィンの視界が
ぐにゃりと変わった。
「え、あの。」
フィンは腕を引っ張るリヴァイに
反射的に抵抗してみせる。
「エルヴィン。
こいつがまたおかしな考えを
起こさないように俺が見張る。
それとも地下牢にまた入るか?」
とリヴァイがフィンの顔を睨みつける。
「まぁリヴァイが適任かな・・・・?
食べられないようにね。フィン。」
ハンジが冗談交じりに話す。
「わたし、ハンジさんと一緒が」
「ごめん、私の部屋汚いんだ。」
ハンジがかぶせて話す。
「待てリヴァイ。」
とエルヴィンがリヴァイを呼び止めた。