第11章 二人からのお誘い
「なんだ。」
リヴァイが素早く振り返りエルヴィンを睨みつける。
「フィンは私が預かろう。」
「お前は病み上がりだろう。
ミケ、お前もな。」
とミケにも鋭い視線を送る。
「・・・・・」
モブリットが何か言いかけ口をつぐんだ。
無言でリヴァイはモブリットを
睨み上げ威嚇しする。
「・・・・異論はないな。」
フィンはリヴァイに連れられ、部屋を後にした。
先ほどの広い部屋に連れ戻される。
あ……ここリヴァイ兵長の部屋だったのか……。
リヴァイは黙って、部屋の鍵をかけた。
フィンの腕を掴んだままソファーにドカッと無理やり腰を落とす。
フィンはリヴァイの無言の圧に震える。
「・・・・別に取って食おうなんて考えちゃいねぇよ。
ガキに手ぇださねぇ」
とリヴァイの口元が少し緩んでいる。
言葉数の少ないリヴァイの不器用な言動をフィンは必至に理解する。
「・・・・・”誰か”に
私が食べられないように・・・?」
と小さくつぶやく。
「あぁ。」
リヴァイがくすりと
小さく口元を緩める。
「・・・・・おおかた、
お前の処女をみんな欲しがるだろう。」
リヴァイは足を組んでソファーの背もたれにもたれかかった。
「ほんと・・・・・
みんなして・・・」
と顔を赤くしてフィンは両手で隠す。
「・・・・・後ろ向け。」
リヴァイの乱暴で優しい手が
フィンの体を軽々と回転させる。
「・・・・・?」
フィンの視界に突然光るものが
通過していった。
冷たい感触が首元にあてがわられる。
小さくフィンの体は動いた。
「お前のだろう。」
首元に視線を落とすとノインが
持って行ったかと思っていたネックレスが光っていた。
「これ・・・・」
「鐘台で落としていったんだろう。」
リヴァイが優しく囁いた。
あの夜の出来事が鮮明によみがえった。
フィンの顔に熱が集中する。
リヴァイの唇の感触を思い出す。