第11章 二人からのお誘い
「君のこの髪色はどうやら
人を惑わす魅力があるようだ。
もちろん、フィン、君の顔も充分魅力的だと思う。」
フィンの髪の毛をさらさらと触る。
指先でほころばせる。
「あぁ。確かにな。」
リヴァイが短調に口を開く。
「・・・・・二人して恥ずかしいこと
サラッと言わないでください・・・。
髪はやっぱり隠した方がいいですよね・・・。」
「明日は隠した方が賢明だろう・・・
キミが憲兵団まで魅了したら
ますます君を手に入れることが難しくなる。」
エルヴィンが髪をなぞる。
フィンはエルヴィンの発言に顔を赤くする。
調査兵団に欲しいってこと・・・・
と自身に言い聞かして
心を落ち着かせる。
「緊張もほぐれたようだし、
フィン行こうか。」
さぁ、
とエルヴィンがフィンから離れた。
リヴァイはフィンの両腕を掴んで立たせた。
「・・・行くぞ。」
どこか名残惜しそうな
リヴァイの声がした。
リヴァイとエルヴィンに連れられ、
着いた先は牢獄ではなく、
エルヴィンの仮の団長室だった。
ソファーには、ハンジ、ミケが
向かい合い座って待っていた。
部屋に着きフィンの姿を見るなり
「フィン!!」
と嬉しそうに飛びついてきた。
「ハンジさん!?」
フィンは抱き着かれた喜びと
突然のスキンシップに戸惑いながらも
今日一番の明るい笑顔を見せる。
「巨人にしか興味のないお前が
人間にそんな興味を待つのか。」
リヴァイが大きく目を見開く。
リヴァイの目にフィンの
今日一番の眩しい笑顔がうつる。
「・・・お前・・・笑顔・・・
いや、なんでもない。」
リヴァイが小さな声で話した。
「君は異性も魅了するのか。」
と目を大きくさせながらエルヴィンは話す。
フィンはソファーに誘導される。
エルヴィンは机に
備え付けてある椅子に腰かけた。
ミケとハンジがフィンの前のソファーに。
リヴァイはドカッと音を立てながら
フィンの隣に腰かけた。
背もたれに伸ばした指先が
フィンの右肩に触れる。
フィンは体制を少しずらして
リヴァイの指先から少し距離をとる。
ちッ。とリヴァイの舌打ちが聞こえた。