第11章 二人からのお誘い
フィンが疑問をぶつける。
「あの・・・私何もつけてないけど
いいんですか・・・?」
手首を見ながらフィンは
みんなに視線を向ける。
「あぁ、さっき牢に入れてたのは
憲兵団が今にでもフィンを
引き渡せってうるさくてね。」
とハンジが話し始めた。
殺人の重要参考人を、
拘束しないのは不自然だから。
何とかうまく交渉して
引き渡しを明日に伸ばすことに成功したんだ。
とハンジが教えてくれた。
フィンは顎に手を添えて相槌を返す。
「フィン、何度も言うが調査兵団に
キミが欲しい。
我々はもう”仲間”として見ているよ。」
エルヴィンが机に肘をつき
両手を顎の前で組みながら
真っ直ぐにフィンに視線を向ける。
「・・・・・はい。」
”仲間”という言葉だけでフィンの胸は熱くなる。
同時に、昨日の夜に犯した
自分の罪に反省の色を浮かべる。
「後悔はするな。」
リヴァイが隣でポツリと話す。
「え?」
フィンがリヴァイの顔を覗き込む。
「後悔は次の判断を鈍らせる。
誰かさんの”教え”だがな。」
とリヴァイの鋭い三白眼がフィンをとらえる。
「あぁ。そうだな。
後悔はしない方がいい。」
エルヴィンが含み笑いを浮かべる。
「雑談はここまでにして、
フィン、状況整理をしよう。」
とエルヴィンが話す。
部屋中の空気がピリッと張り詰める。
空気が変わった。