第11章 二人からのお誘い
「エルヴィンさん、
見ないでください・・・。」
顔を真っ赤にして俯きながら呟いた。
「手の包帯も巻いてあげよう。」
フィンの両手の平を
エルヴィンの大きな手が這っていく。
ピリッと軽い痛みが走る。
手のひらを出すようにエルヴィンに指示される。
フィンは平常心を装いながら
すっと手のひらを出した。
ブレードでぱっくりと
切れてしまった傷が見える。
「刃を素手で持つなんて、
ずいぶんと無茶をしたようだな」
とエルヴィンがフィンの
手の傷の近くにキスする。
「エルヴィンさん・・・!!」
手をエルヴィンの口から離そうと動かす。
エルヴィンはしっかりと両腕を掴んで離さない。
「動いたら包帯を巻けないだろう?」
ニヤリと悪戯にエルヴィンは微笑んだ。
リヴァイが
「終わったぞ。」
とフィンの耳元で囁く。
「・・・ありがとうございます・・・。」
フィンは消え入りそうな声を出す。
背中にリヴァイの体温を感じる。
タオルが頭に無造作にかけられ、
わしゃわしゃと拭かれる。
「あっあの・・・自分で髪くらい拭けます。」
フィンは呟く。
「その両手じゃ拭けないだろう?」
リヴァイが耳元でささやく。
耳が真っ赤になっていくのが
自分でもよく分かった。
黙って髪の毛を拭かれる。
エルヴィンからも
「終わったよ。」
と言われる。
「ありがとうございます・・・・
もういいですか?」
とフィンは離れるそぶり見せる。