第11章 二人からのお誘い
「失礼します!!」
姿を見なくてもエルドだと声でわかる。
エルドの声が牢に響く。
「フィンの引き渡しが
明日に決まりました。」
エルドはフィンをチラ見する。
フィンは申し訳なさそうに
軽く会釈する。
エルヴィンが
「そうか、考える時間はたっぷりありそうだ。
フィンを出してやってくれ。」
エルヴィンの声かけと同時に
兵士が牢のカギを開ける。
ミケが中に入ってきて手首の鎖を外してくれた。
「ミケさん怪我は大丈夫ですか?」
フィンはミケに尋ねる。
「自分のことを心配しろ。」
とフィンの手の包帯を
指先でなぞった。
「・・・・・・・痛ッ。」
小さく体が揺れた。
「・・・・・ほんとに私は
フィンに殺されかけたのか?」
ミケよりキミの方が重症だよ。
と笑い出すエルヴィン。
「・・・・・ごめんなさい。」
フィンは泣き出しそうな顔をする。
「君に殺意がなかったのは十分すぎるほど
伝わっているよ。
だからもう謝らないでくれ。」
エルヴィンの優しい言葉に
フィンは涙を流した。
ミケがそっと右肩に手を置いてくれる。
フィンが
「あれ……私の肩……?」
間接の外された肩に手を置く。
「あぁ、モブリットが
フィンが寝てる間に肩入れてたよ」
「え……モブリットさんそんなことできるんですか……??」
「モブリットは優秀だからね」
ハンジは嬉しそうに話す。
泣いているフィンに
「オイ。早く出ろ」
とリヴァイが苛立ちながら話す。
フィンは涙を拭きながら牢を出た。
ハンジ、ミケ、エルドと途中で別れ、
フィンはリヴァイとエルヴィンに連れられ
今まで使わせてもらっていた部屋より広い部屋に入った。