• テキストサイズ

転がすダイス【ヒプマイ夢】〘帝統夢〙

第1章 自然体のあなた




こんな事に自信を持たないで欲しい。

「私で、いいんでしょうか……」

「おう、信用してるぜ」

また無邪気にニカリと笑った帝統さんに言われ、少し嬉しくなった。

まだ会って間もない私を、信用してくれるこの人の気持ちが素直に嬉しい。

カードキーで部屋を開ける。

「こちらが部屋になります。いつでも使って頂いて構いませんので、どうぞごゆっくりして下さいね」

部屋に入って、カードキーを突き刺すと部屋に明かりが付いた。

「おぉーっ! 広っ! こんな豪華な部屋、いいのかよっ!」

ベッドに仰向けに飛び込んで、大の字に寝転んではしゃいでいる。

「私がよく使う部屋でもあるので、大丈夫ですよ。遠慮なく使っちゃって下さい。それに、デートしてくれるんですよね?」

笑ってそう言うと、照れたように目を開き、上半身を勢いよく起こした。

「ばっ……そ、その言い方っ、やめろよなっ! デート、とかっ……俺のキャラじゃねぇっつーか……」

「そうですか? 帝統さんはデートしないんですか?」

「しねぇよっ! 俺は、ギャンブルさえ出来りゃ、それでいいんだよっ!」

目を逸らして、帝統さんが頭を掻きながら言った。

「帝統さん素敵だから、モテそうなのに」

「素敵っ!? モテっ……。あんた……変な女だな」

心外な事を言われている。人を褒めて貶されたのは、生まれて初めてだ。

ただ思った事を言っただけなのに、何か変な事言ったのか。

「失礼なっ! 変じゃないですよ。事実を言ったまでですっ!」

「わ、分かった分かったっ! そう怒んなよ……んな膨れっ面してたら、美人が台無しだぜ」

自然に貴重な言葉を言われた気がする。

帝統さんの口から、私を褒める言葉が出た。

「そんな事、初めて、言われました……」

「んあ? そんな事って、どれだ?」

「美人とか……初めて言われました」

自分の顔のレベルなんて、気にした事がないし、男性にこんな言葉を言ってもらったのも初めてだ。

相手が帝統さんだからだろうか、物凄く、嬉しい。

そう思ったら、妙に恥ずかしくなって来た。

「な、何で突然んな真っ赤になんだよっ! つ、釣られるだろうがっ!」

「そんな事言われても……嬉しいと思ったら、何か、恥ずかしくて……」

顔が熱い。




/ 25ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp