第4章 初めまして、後藤です
程なくして風柱邸に到着。
いつ来ても思うが、すんげぇ立派な屋敷だよなぁ。
そして改めて思う。
柱って、めっちゃ金持ちなんだなぁと。
いや、ここまでくるのに皆血の滲むような努力をして来ているのだ。
一般隊士もそうだけど、柱はそれ以上に尊敬している。
…怖いけど。
門をくぐり、綺麗に敷いてある飛び石の上を歩き、立派な玄関の前で大きく息を吸う。
「ごめんくださいませー」
…。
戸、開けないと聞こえないか。
やべぇ、緊張する…。
震える手で玄関の引き戸に手を掛け、ゆっくりとそれを横へとずらした。
そっと顔を覗かせてみると、シン…と静まり返った屋敷の中。
人の気配がしなかった。
いないのか?
でも鍵が開いているから、きっと何処かにはいるよな。
庭?あるいは…
寝ているのかもしれない。
昨夜は任務に出られていたはずだ。
もしかしたら明け方までかかったせいで、今まさにお休みになられているのかもしれない。
今は午前中だ。
せめて午後になってから来るべきだった。
やっちまった…。
隠ならば、そこまで気を回すべきだった。
寝起きの不死川様ってどんなだろうなー。
今までの感じからすると…、とんでもなく機嫌が悪くなりそうだ。
まずいことになったぞ…。
俺は刻まれるかもしれない。
さらに震える俺の身体。
だがここまで来たからには託されたこの手紙、なんとか不死川様へお渡ししなければならない。
そして、これが俺の最期の任務になるんだろうな…。
さらば、俺の儚き人生。
刻まれる覚悟を決めた俺は、大きく息を吸い、腹に力を込めた。
「ごめんくださいませー!」
耳を澄ませてみるが、それでもシンとしている屋敷の中。
やっぱり庭へまわってみるか…。
玄関を閉めようとしたその時、トットットッと奥の方からこちらへ駆けてくる足音が。
「ごめんなさいっ!お待たせしましたー!」
「・・・え?」
なんか、すんげぇ可愛い子出て来た。