第3章 おそろい*
なんなんだ…。
どうすりゃいいこの展開⁈
小鳥相手に頭を悩ませていると、ふと昨日の葉月との会話を思い出す。
『青い小鳥さんが毎朝私のところに来てくれるんです』
葉月の作ってくれた飯を食いながら、御伽話のような話をおもしろおかしく聞いていた。
母親が死んでからしばらく経ってそいつは来た。
小鳥になった母親が毎日会いに来てくれているのではないか、と…。
正直その時は、信じていなかった。
いや、小鳥が葉月のところに来ていること自体は別に不思議じゃねェ。
問題は、それが本当に母親なのか、ということだ。
どっかの知らねェヤツから突然そんな話を聞かされれば「こいつ頭おかしいんじゃねェ?」と鼻で笑うところ。
だが相手は葉月だ。
只々ひたすら可愛いかった。
実際そんな話聞いたことがなかったが、葉月がそう思いたいのならそれでいいと思っていた。
しかしこれはどうだろう?
俺の屋敷の周辺で、こんな綺麗な青い小鳥は今まで見たことがない。
それが、葉月がここへ来た翌日の朝突如として現れた。
しかも、葉月が寝ている部屋の前へ。
まるでここに葉月がいるのが分かっていたかのように。
もしや…と思い、俺は一つ訊ねてみる。
「お前、もしかして…。毎朝葉月んトコ行ってるヤツかァ?」
「ピィッ」
「…」
オイオイどうした返事したぞォ…。
さっきまでうんともすんとも言わなかったヤツが、葉月の名前を出した途端に反応しやがった。
大切なものを見守るために、身近なものに生まれ変わる。
そんな話、あるわけない。
そう思って生きてきた。
だが今俺が置かれているこの状況…
改めてよく考えると…
いや、信じるにはまだ早い。
返事をしたのもたまたまかもしれねェ。
あと一つだ。
あと一つだけ質問して、それで決める。
よし。
覚悟を決め、俺は最後に一つだけ、気になっていたことを訊ねることにした。
「お前… 葉月の、母親…なのかァ?」
「ピィッ‼︎」
先程よりも大きな鳴き声。
両翼をバサッと広げ、全身で主張していた。
…。
お義母様…‼︎