第3章 おそろい*
はたから見れば、偶然が二度重なっただけだと思うだろう。
だがこの時の俺は、すっかり信じてしまったのだ。
間違いない、これは葉月の母親なのだと。
ちょっとまてェ…!
つぅことはよォ…
娘の相手がどんな奴か鳥にまでなって確かめに来たってことかァ⁈
やべェぞォ…
さっきお前だのなんだの思いっきりタメ口で話掛けちまったじゃねェか…
どうすんだァ…
ア"ァー…!
仕方ねェ、ここはこうするしか…
俺は居住いを正し、小さき大切なお客様に向かって、
「初めましてお義母様。不死川実弥と申します」
手を付き頭を下げて、懇切丁寧にご挨拶をした。
「実弥さん…。なんて律儀っ…‼︎」
「ナニヤッテンダァ実弥…」
少し遅れて起きてきた葉月。
今日の夕方からの任務の情報を伝えに来た爽籟。
一人と一羽に障子の隙間からガッツリ覗かれていたことを、
俺は知らない。
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