第3章 おそろい*
『チッ、…何を、何人分だァ』
『はい、ではしっかり覚えてくださいね。私、カナヲ、アオイ、すみ、きよ、なほの六人分です。みたらし団子に三色団子、よもぎ団子もいいですねぇ。あと桜餅と芋羊羹、揚げまんじゅうも『ア“ァ“ー!長ェ!ちゃんと買って来てやっからどっかに書けェ!』
薬箱と、六人分とは到底思えない程の品数がびっしり書かれた用紙を受け取り、俺は部屋を出る為立ち上がる。
『薬箱、確かに受け取った。いつも悪ィな』
『いいえ、またいつでも。そちらの甘味よろしくお願いしますね』
『俺だってお前と同じように暇じゃねェんだ。いつになるか分かんねェぞ?』
『ええ、承知してます。首を長〜くしてお待ちしてますから』
『チッ、もう行くぜェ。邪魔したなァ』
そして、去ろうとする俺の背中に胡蝶からのトドメの一言。
『今度は“ 葉月さんとご一緒に“いらしてくださいね〜』
…そういうことかよ。
こんなに書きやがって。
一人じゃ持ちきれねェだろうから二人で持って来いってか。
胡蝶の奴、完全に面白がってやがる。
仕方ねェ。
なんだかんだ世話んなってるし、ご希望通り、二人で行ってやらァ。