第3章 おそろい*
「蜜璃ちゃん、嬉しそうだね」
「葉月ちゃんとお揃いだから、嬉しくって」
「そっか、ふふ」
そんな風に言ってもらえると、私も嬉しいな。
……。
実弥さんも、お揃いの物をあげたりしたら喜んでくれるかな。
なんて、蜜璃ちゃんを見ていたらそんなことを考えてしまった。
「葉月ちゃん、どうしたの?」
呼ばれてハッとすると、蜜璃ちゃんが心配そうに私を見つめている。
考え事をしていたら、気付かないうちに足を止めていたらしい私。
いけないいけない、何やってるんだろ。
「ごめんね、なんでもないよ」
「そうなの?隠さなくていいのよ!悩み事なら遠慮なく言ってちょーだいね!」
あぁ、大した悩みでもないけれど…。
蜜璃ちゃんに心配かけてしまったと思い心苦しくなってしまった私は、隠すほどでもないかなと思い直し、さっき考えていたことを話してしまうことにした。
「そうね、そうよね葉月ちゃん!」
“実弥さんとお揃い“の話を伝えると、ぱぁぁ…っと顔を輝かせる蜜璃ちゃん。
「そういうことなら私に任せて!さぁ行きましょ〜!」
「え?え?」
逃さないわとでも言うように、蜜璃ちゃんは私の手をぎゅっと繋いで歩き始めてしまう。
ものすごい勢いで引っ張られ、やや小走りに。
展開に頭がついていけず若干戸惑いながら、それでも私より張り切る蜜璃ちゃんがなんだか微笑ましくて、もうここは好きにさせてあげようと、全てお任せすることにした。
さて、私は一体何処へ連れて行かれるのかな?