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小春日和 【鬼滅の刃 不死川実弥】

第3章 おそろい*










ー午前11時ー

甘露寺さんとの待ち合わせのお店の前に到着。
そこに甘露寺さんの姿はまだ無くて、私の方が先だったようだ。

来るまで何をして時間を潰そうかな。

少し考えてみたけど、特にすることもなくて、私は目の前を行き交う人達をぼーっと眺めることにした。


忙しく走って行く人
ゆっくりのんびり歩いている人
店先に並ぶ品物を見て回るお客さん
威勢の良い掛け声で客引きをする店のおじさん
手を繋いで歩く親子
腕を組んで微笑み合う恋人たち


皆それぞれの時間を思い思いに過ごしている。

誰一人同じ人はいなくて、いろんな人がいて…
当たり前だけど、不思議。

今までこんな風にゆっくりと見渡したことなんてなかったから、新しい細やかな発見をした気分だ。

そんなことを思いながら人間観察を楽しんでいると、


「葉月さぁーん!」


と、遠い…

大分向こうの方から、甘露寺さんが手を振ってやってくる。

そんなに慌てなくてもいいのに、私の姿を見つけて大急ぎでこっちに向かって走ってくる甘露寺さん。

それはもう全速力で。


「かっ甘露寺さん!ちょっと…わあっ、止まってー!」

「はい!止まったわ!」


きゅっと目を瞑った私の目の前で甘露寺さんは難なくピタッと急停止。

ぶ…ぶつかるかと思った…
もう突っ込んできそうな勢いにビビった私の心臓はバクバクだった。


「遅れてしまってごめんなさい!待ったかしらぁ⁈」

「ううん、全然ですよ?あ、甘露寺さんこんにちは!」


しまった、あいさつが後になってしまった。


「うふふっ、こんにちは葉月さん!」


甘露寺さんは特に気にせずにこっと笑ってあいさつを返してくれる。

本当に可愛らしい人だ。






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