第1章 幸せのカタチ
そんな私とは逆に、甘露寺さんは頬を膨らませて怒っていた。
納得していないみたい。
「良くないわ!葉月さん、本当は会いたいのよね⁈」
「それは…そうなんですけど。でも会えないって言われちゃったし…」
「う〜〜〜‼︎だめよ!葉月さん自分に嘘ついちゃ!会いたいのに会えなくて悲しいって顔に書いてあるわ!葉月さんが悲しいと、私も悲しくなっちゃう!」
「何⁈オイ、水篠と言ったか。貴様、なんて事をしてくれる。甘露寺を悲しませるな」
「えぇえー…」
いきなり伊黒さんに蛇の如く睨まれる。
この人甘露寺さんと話す時とまるで別人のようで正直怖いんですけど⁈
そして伊黒さんが自分と他人で態度が変わっている事に、甘露寺さんは全く気付いていないみたいだった。
「それにね、不死川さんも最近変なのよ。さっき元気そうとは言ったけれど、なんて言うか、心ここに在らずって言うのかしら?
仕事はちゃんとしてるんだけど、
終わった後に声をかけても無反応だったり、この間なんて柱合会議中にお館様のお話に集中できてなくて、お館様に注意されてしまったの…あ、お館様っていうのはね、私達のお仕事している所の一番偉い人なの」
不死川さん…重症じゃないですか⁈
まさかそんな事になってるなんて知らなかった。
なんとかしてあげたいけど…
でも、どうしたらいいの?