第1章 幸せのカタチ
よくよく話を聞いてみると、
「友達になりたいと思っていたのは本当だが、ここ最近元気が無いように見える。もしかして不死川が同時期に来なくなった事と何か関係があるのではないかと少し心配になったという事を甘露寺は伝えたかったそうだ」
と言う事を、隣にいた伊黒さんと言う人が説明してくれた。
私の心配をしてくれていたなんて、なんて優しい人なんだろう。
「何か悩んでいるなら、私でよければお話聞いてあげたいと思って」
この人達は不死川さんと同じお仕事をしている人達だ。
今不死川さんがどうしているのか少し聞いてみたい。
甘露寺さんの言葉に甘え、妙さんに事情を軽く説明し、少し休憩をもらえる事になった。
2人の前に座り、あの日あった事を話し始める私。
話している間、2人は黙って私の話を聞いていた。
「そう…不死川さんにもう会えないって言われたのね。でも不死川さんどうしてそんな事言ったのかしら…」
「もしかしたら単純に飽きたのかもしれないし、何か考えがあってそうしたのかもしれない。でも、私には分かりません」
気落ちしている私を本当に心配そうに見ている甘露寺さん。
私なんかのためにそんな顔をさせてしまって申し訳ないと思った。
「ごめんなさい、心配かけてしまって…。
不死川さんはお元気ですか?」
「ええ、この間会議で会ったのだけれど、元気そうだったわ」
「そうですか、なら良かった」
本当は会って直接元気なのかこの目で確かめたい。
でも、不死川さんはもう私に会うつもりはないのかもしれない。
そうだ…会えないのなら、今度からは甘露寺さんから様子を聞くようにすればいいのかもしれない。
うん、そうしよう。
そう自分に言い聞かせて、会いたいと思っている頭を無理に納得させようとした。