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小春日和 【鬼滅の刃 不死川実弥】

第5章 大変だ、飯がない!



「もう直ぐ後藤が来るからちょっと待ってろォ」

「隠を呼んだのか」

「アァ、まだ来ねェがなァ」

「俺の見間違いでなければ、向こうから走って来るのがそうではないだろうか⁈」

あれだ!と煉獄が指差す方へと目を向けてみると…

確かに。
向こうから、小さな黒い粒と、やや大きな黒い塊がこちらへと向かってドドドッと走って来るのが見えた。
それが段々と大きくなり…

「風柱!お待たせしました!」

ゼェゼェと息を切らした隠の後藤が登場した。

急いで来たのだろう。
呼吸と合わせて両肩が上下している。
それは分かったのだが、どうしてもさっきの藤宮に強く出れなかったのもあり…

「遅ェ!!」

「申し訳ありませぇん!!」

理不尽に八つ当たり。
お前に罪はねェが…
悪ィな後藤。

頭巾の下でしくしくと泣く後藤の背中に葉月を乗せると、

「絶対ェ落とすんじゃねェぞォ…」

更に追い討ちをかける。

「はい!死んでも落としません!!」

ちとやり過ぎたかァ。

後藤の背中に乗せられた葉月は「まぁまぁ実弥さん」といつものように可笑しそうに笑う。

「もぉ、そんなに後藤さんいじめちゃダメですよ?」

「ヘィヘィ。終わったら寄る。いい子で寝てろよォ」

「はい」

よしよしと頭を撫でてやると、嬉しそうに微笑んだ。


葉月の家に向かって歩き出した2人の背中を見送っていると、

「さっきの実弥さん、後藤さんに怒ってたわけじゃないですよ」
「マジっすか⁈良かったー!」

と言う話し声が聞こえてきた。
最近隠からの視線が以前とは違うものを感じる時がある。
はっきりとは言い表せないが、恐怖ではなく、何か別なもののような…
時々うちに来る隠達にああやって葉月が話して聞かせているからだろうか。
恐怖だけじゃァ仕事がやりにくい事もあるからなァ。
ありがてェ事だ。

「男性の隠が送っていくのならば、和菓子屋のあの青年でも良かったのではないか?」

思うところがあったのだろう。
煉獄がふと疑問を俺に投げかける。
煉獄は藤宮が葉月に想いを寄せていることは知らないのだから、そう感じるのも当然だろう。
わざわざ教えるつもりはねェが。





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