第5章 大変だ、飯がない!
「俺は甘露寺と共に来た。それの何が悪い。ところで煉獄、貴様さっきから甘露寺と馴々しくし過ぎではないか?師範だからといって近過ぎるのはどうかと思うのだが。大体貴様は声が大き過ぎる。その距離でそんな大声で話す必要がどこにある。もしも甘露寺の鼓膜がどうにかなってしまったらどうするつもりだ。どう責任を取る?どう責任を取らせる?そうだいい事を思い付いたぞ。俺の鏑丸に噛ませてやるのはどうだろうか…」
相変わらずネチネチと文句を連ねる伊黒。
しかし肝心の煉獄にはその訴えはこれっぽっちも届かなかったようで、
「む?ちょっと何を言っているのかよく分からない!伊黒よ、もう一度最初からいいだろうか!」
ブワッと風が吹き抜けるような勢いで、煉獄が声を張り上げた。
「……もういい」
伊黒は諦めた。
「二人ともいらっしゃい。蜜璃ちゃん、煉獄さんと知り合いだったんだね」
「えぇ、そうなの!こんな所で会えるなんて、嬉しいわぁ!」
「そっかぁ。今ねぇ私、みつ「甘露寺だ‼︎」
何を思ったか、突然煉獄が葉月の話を遮るように、大声で甘露寺の名前を叫んだ。
どうしちまったんだコイツ…。
「オイ煉獄、甘露寺がどうしたってェ?」
「だから、甘露寺だ!」
「んなこたここに居る全員もう分かってんだよ!俺が聞いてんのはそういう事じゃなくてだなァ…」
訳の分からん煉獄の発言のせいで皆ぽかんとしちまってんじゃねェかよ。
分かってねェのかその後も「甘露寺なのだ!」とそれしか言わない煉獄。
それじゃあ誰も分からねェだろが。
結局何を聞きたいのかを俺が懇切丁寧に説明する羽目に。
いやそもそもなんで説明しなけりゃ分からねェんだよ…
俺のイライラが募り始めたその時、
「だから、先程の話の続きだ!俺が話していたよく食べる元気な女性は実は甘露寺だったんだと言うことだ!」
「それを先に言えェ‼︎」
無駄な時間使いやがって‼︎
俺の怒りが爆発した。