第5章 大変だ、飯がない!
お喋り好きな甘露寺に、今度会ったら説教だと心に決める。
胡蝶の注文だが、兎に角品数が多くそれなりに時間もかかるため、余裕を持って一週間ほど時間が欲しいとのこと。
胡蝶は知らんが俺は全く問題ねェ。
寧ろ、そんなに大変な注文を頼んでしまったことの方が申し訳ないくらいだ。
一人では持ち切れない量になるからと、葉月が一緒に持って行くと言い出した。
一週間後ならば葉月も休みらしい。
胡蝶の思惑通りにはなっちまうが、折角葉月が気を利かせてくれたのだ。
ここは素直にお願いすることにし、一週間後に二人で届けに行く約束をした。
「お席は別にしますか?それともお知り合いだし、一緒の方がいいですか?」
煉獄の事は嫌いじゃねェ。
が、食事中の煉獄は…
とにかく喧しい。
普段の声もデカいんだが、同じくらい…いやそれ以上。
凄まじい声量で、うまいを連発。
感想を述べる事は全く悪い事じゃねェ。
だがしかし、食う時くらいは抑えてくれと思ってしまう。
落ち着いて食えやしねェ。
そう思った俺は、
「別で頼む」
そうお願いしたのだが、
「是非一緒でお願いしたい!」
見事に一蹴してくれた。
煉獄よォ、俺の話聞いてねェだろォ…
「俺今別でっつったよなァ?」
「遠慮はするな不死川。一人では寂しかろう。一人より二人!人数が多い方が飯はうまいぞ!」
拳を握り、キラッキラした目で、大人数での飯の美味さを俺に力説した。
あぁ…眩しい。
「どう…します?」
「アァ…、一緒でヨロシク」
「はぁーい」
人の言う事聞いてんだか聞いてないんだか。
相変わらずの煉獄にハァとため息。
そんな俺に葉月は苦笑いしながら、俺らを席へと座らせた。