第20章 LOVE×中毒
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黒死牟「月の呼吸 壱ノ型 闇月・宵の宮 」
巌勝さんが鬼を斬り伏せるのも、私が義勇を抱えて下げるのも一瞬の出来事だった。正しく『夫婦の共同作業』とでも言っておこうかしら
義勇「手を煩わせてすまない…」
まゆ「義勇大丈夫?回復はしたけど、血は完全には元に戻ってないから私の屋敷に運ぶね」
義勇「いや、大丈夫だ」
黒死牟「無理に動くな。かなり傷が深かったのだ。塞がったとはいえ暫くは休息が必要だろう」
巌勝さんの言う通り、休息が必要だ。あまりにも強い力は表には出せないから、傷を塞ぎ少し血を戻しただけなのよね
義勇「俺は冨岡義勇、貴方は…(柱のまゆより強い…?)」
黒死牟「私は継国巌勝という…」
巌勝さんと義勇じゃ会話がスローペースになってしまう。口下手同士だから仕方ないわよね。私が喋り過ぎとかいう説は有るけど、絶対に認めないわ!
義勇「継国殿、ありがとう」
巌勝「礼など要らん。冨岡殿、屋敷に運ぶから少々大人しくしていてくれ」
そう言って巌勝さんは、義勇の両腕を掴んで矯正おんぶをした。私は矯正姫抱きをよくされたわね(笑)
義勇「そこまで世話になるわけには…」
まゆ「義勇!私の屋敷で暫く休養ね。疲労も溜まってるみたいだし!これは上官命令だから逆らわないこと♪」
義勇「わかった…」
私達は屋敷へと走り、着くなり義勇を布団に寝かせた。縁壱さんは夕餉の用意をしてくれている
義勇「継国殿は柱なのですか…?」
黒死牟「否、癸だ…」
それを聞いた義勇が辛そうな顔をしている。義勇も癸だからか、巌勝さんとの力の差を感じて絶望しかけてるのだと思う
まゆ「巌勝さんは、理由あって鬼殺隊を暫く離れていたけど、元々は甲だったの。でも最近戻って来て癸から再スタートって感じかな」
嘘は言ってないわよ?
黒死牟「理由は差し控えさせていただくが…まゆの言った通りだ…」
義勇「まゆより強い…」
まゆ「正直だよね(笑)そりゃそうよ、私の師範だもん♪」
悔しくなんかないからね!
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