第20章 LOVE×中毒
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縁壱が「はい、恐らくは。…んっ?」と、何かの気配に気が付いた
美月「お父さん、黒死牟伯父様ごきげんよう」
黒死牟「美月!」
縁壱「どうしたのだ?」
美月は鬼の形相で巌勝と縁壱に迫っている
黒死牟「顔が怖いぞ。何をそんなに怒っておるのだ…」
縁壱は、鬼が鬼の形相とはこれいかに?と思っていると、美月はクワッと目を見開いた
美月「話は聞いたよ。私は、お母さんに賛成です!」
縁壱「知っておったのか」
黒死牟「美月よ、これは女子には…わからぬ事…」
美月は苛立っていると言うよりも焦っている。それもそのはず、謂わば両親の離婚危機なのだから
美月「ふーん、男の自尊心だかなんだか知らないけどさ、そんなもんを頑なに守った結果、お母さんが誰かに取られても知らないからね」
黒死牟「まゆが誰かに取られるだと!?」
縁壱「お母さんの様子を教えてくれないか?」
美月は飲み屋で見たまゆの様子を、多少盛って話していった
美月「お母さん泣いててさ、目麗しい人がお母さんの頭撫でてたよ。もう一人の目麗しい人が、自分の所においでって言ってた(多分泣いてた様な?)」
まゆは美月が見た時点では泣く迄はいってない。因みに頭を撫でていたのはリリスで、自分の所においでと言ったのは白澤だ。確かに目麗しいが、リリスの性別を言わなかったのはわざとである
黒死牟「まゆが浮気をすると言いたいのか?」
美月「わかんないよ。でもお母さんモテるからね、正直言って」
縁壱「それは知っている」
美月は父と伯父の冷静さに腹が立っている。二人は取り乱す所を見せたくないが為に、冷静さを装っているだけなのだが伝わる筈もない
美月「あのねぇ…お父さん達もモテるかもしれないけどさ、お母さんを本気で好きな殿方って知る人ぞ知るイイ男達なんだよね〜」
美月も出来れば、そんな事を父と伯父に言いたくない。しかし、やはり女としては母側の意見なのだ。要するに、二人に『折れろ』と言いたいらしい
縁壱「もうダメなのか私達は…美月、お母さんは別れたがっていたのか?」
縁壱は美月に縋り付き、巌勝は黙り込んだ。そんな父と伯父の姿に、美月は遂に怒りを爆発させてしまうのだった
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