第20章 LOVE×中毒
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黒死牟「決着が着かぬな」
縁壱「流石は兄上です。相変わらず素晴らしい剣捌きでした。それに、昔よりも格段に強くなっており、まるで天井が見えませぬ…」
わぁ〜、お互い目を合わせて微笑み合ってるじゃない!初めて見たけど良いものね♪
黒死牟「とある…可愛らしい最上級魔族の加護を貰ったからな…」
縁壱「兄上は昔から強かったです。憧れの兄上ですから…再び兄上と稽古が出来るなんて夢のようで…私は……私は……」
縁壱さんの頬が涙で濡れた。夢かぁ、私も夢のようだと思ったわ!でも夢じゃないの
黒死牟「フッ、夢なわけがなかろう?私は、ここに居る」
縁壱「本当ですね。頬が痛いです…フフッ」
巌勝さんがハニカミ顔で縁壱さんの頬を抓ると、縁壱さんが凄く嬉しそうに笑った
良かったわ…本当に……わ、私まで…
まゆ「うわぁ〜ん良かったよぉ〜(泣)」
感極まってマジ泣きしてしまうと、巌勝さんと縁壱さんは直ぐに駆け寄って来て抱き締めてくれた
あぁっ!二人の邪魔しちゃったよ…ごめんなさい
黒死牟「泣き虫は変わらぬな」
縁壱「本当ですね。まゆは大人になってからも、こうして度々泣いていましたから」
まゆ「そんなに…グスッ…泣いて、無いわよ…ヒック…でも、二人がっ、グスッ…こんな風に、わっ笑いあってるとか…ヒッフ…本当に無かったから…」
上手く喋れないけど想いは伝わったかしら…
黒死牟「お前が居たから私は人を喰う事もなく、縁壱と再び真の兄弟に戻れた…ありがとう。まゆ、世界でお前だけを愛している…」
まゆ「私なんて別に…」
私は何もしてないわ。巌勝さんが、私と腹の子(雅勝)を想い、今までずっとずっと人の心を忘れなかったからよ?
縁壱「まゆは悪魔ではなく、まるで天使のようだ。これからもずっとまゆを愛してる…」
まゆ「そんなに良いものじゃないわよ」
私は、あくまでも悪魔よ…。縁壱さんの包み込むような優しさが在ったからこそ、絶望しなかった
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