第18章 三度目の正直
・
黒死牟「口を挟むようですまないが、一ノ瀬殿が陰で援護をして鬼を倒したのを、隊士達は自分の実力だと勘違いすると思う。結果的に隊士の質を落とす事にならぬか?」
縁壱「一理ありますね…だからと言って、あまり目立つのも不味いような気がします」
一ノ瀬「私もそう思うのだが目立つのは不味いのだ…」
昔に比べたら全体的に隊士の質は落ちているのは確かだわ。あの頃は武家社会だったから鬼殺隊には主に、刀の扱いに慣れた侍がいた。けど、それを差し引いても鬼殺隊が弱体化しているのは事実なのよね
勿論、柱や甲、乙位まで上がるような子達は強いわ。でも、私は一人でも多く行き残ってほしいのよ。それならいっそ…
まゆ「一ノ瀬は医療班に入るっていうのは如何かしら。白澤から薬学は教わっていたし治癒札作れたわよね?」
一ノ瀬「あぁ、免許皆伝されている。治癒札は失伝されている術式でしか作れんが良いのか?」
黒死牟「何か不味いのですか?できれば、隊士が一人でも助かるようにしていただきたい」
巌勝さんったら真面目で優しいんだから!そんな所も素敵♡
まゆ「これについては、私から説明するわね」
一ノ瀬「説明下手くそは黙れ!!」
酷っ、巌勝さんに良い所見せたいのにぃ!
黙り込む私の頭を撫でてくれる巌勝さんと、手を握ってくれる縁壱さん。あぁ幸せ♡
一ノ瀬「では、説明を。失伝されている術式と云う事は、現代では私しか作れぬ札と言う事だ」
縁壱「ですよね…」
一ノ瀬のバーカ!昔はマジ上流貴族だった癖に、今はモテないだけの千年独身貴族ぅ!あははははは
一ノ瀬「この失伝された術が使えると云う事は、他の霊能大家に目を付けられやすいと云う事だ。特に六道家に目を付けられたら非常に厄介でな」
まゆ「札以外にも、一ノ瀬は式神帰還強制執行が使えるの。代々式神を使途しているけど、その式神を暴走させまくる六道家からすると、喉から手が出る程に欲しい人材よ」
巌勝さんと縁壱さんは「なるほど」と頷いた。タイミングも顔も同じ♪
まゆ「もし六道を始めとする霊能大家にバレても、あまりに言ってくるようなら神族から圧力かけさせるわよ。あいつ等は鬼狩りを避けてんだから一ノ瀬にチョッカイかけられる筋合いはないもの」
・