第5章 回りだした歯車が鋭すぎる
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酒を飲みつつ遠巻きに見ていたまゆ達は、案外すんなりと秀人を受け入れた桃太達に安堵した
巌勝「大丈夫なんだろうな!あの変態を側に置いて」
縁壱「大丈夫ですよ兄上。秀人はまゆに踏まれて罵られたいだけですから」
透寿郎「うむ!守護剣士らしいからな、言った以上は男たる者、何があろうとやり遂げるだろう」
まゆ「巌勝お兄様、私に抜かりはございません。定期的に踏んだりしとくのでっ」
まゆはキリッとした表情で言うが、世間ではそれを大丈夫とは言わない気がする。しかし、本人がそれで良いならと巌勝も強くは言えなかった
透寿郎「美味い!!」
巌勝「まゆ、醤油取ってくれ」
まゆ「どうぞぉ」
縁壱「ちゃんと食わねば悪酔いするぞ。口を開けろ」
まゆは飲んだら食べない子なのだ。それを心配した縁壱が声を掛けると渋々口を開け、モグモグと食べ始める
まゆ「むぐっ…」
透寿郎「まゆ殿は赤子のようだな!はっはっはっ」
巌勝「せめて幼児にしてやってくれ。まゆが傷付く」
縁壱「あまり変わらないのでは…」
そんな楽しい飲み会で本日二度目の事件?が起こった
前田「皆様お疲れ様でございます。準日柱様はおられますでしょうか」
まゆ「私ですけど何かご用ですか?」
準日柱は自分だと告げると前田がまゆの前で膝をついた
前田「お初にお目にかかります。私し、隠の前田雅俊と申しまして、今年から縫製係として鬼殺隊に所属致しております。以後お見知りおきを、お願い申しあげます」
まゆ「準日柱の御影まゆです。よろしくお願いします。前田さんの要件は?」
前田「早速ですがこちらを」
前田はまゆに風呂敷で包んだ荷物を渡した。その顔は大変に真剣なものであり、決して厭らしいものではない
前田「差し出がましいとは思いましたが、準日柱様に一層ご活躍していただきたいと願いを込め、動きやすい服を作って参りました」
まゆ「えっ、今着てみてもよいですか!?」
前田の目がキラーンと光った。元々着ているところを見たかったのだ、依存はない
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