第5章 回りだした歯車が鋭すぎる
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まゆが月の呼吸を覚えてから、全ての型で様式を作り出したのが一ヶ月後だった。基本をそのまま覚えるのは早くても自分なりにとなると難しいらしい
雲一つない半月の晩の事、任務も警備も終えた三人が居間で寛いでいるとまゆの鎹鴉の鷹男が慌ただしく日柱邸に入って来た
まゆ「鷹男さんどうかした?」
縁壱「ん?」
巌勝「何事だ!!(あー!まゆの可愛い手に接吻しようと思ってたところなのに…)」
何事かと思った日柱邸の面々は一斉に立ち上がり、鷹男に注目した。注目されて気を良くしたのか、両腕(手羽元から手羽先)を組んで胸を張っている
鷹男「カァー!明日、辰の刻カラ緊急柱合会議が開カレル。柱合会議ッテユウカ、オ披露目ダァー!巌勝ヲ連レテ来ルコト。巌勝、月柱昇格オメデトウ!!ヒューヒュー!!」
まゆ「わぁぁぁ!巌勝お兄様、月柱昇格おめでとうございます♪」
縁壱「兄上おめでとうございます。これから兄上と揃いで柱として居られる事を大変嬉しく思います」
巌勝「鷹男さん…それは真か!?」
巌勝は目を丸くし、鷹男に聞き返した。鷹男は鳩胸を更に張り、心外だとでも言うように雄叫びを上げて文句を言う
鷹男「ぶるあああぁぁぁぁ!!!コノ俺ガ嘘偽リヲ言ウト思ッテイルノカァ!心外罪デ逮捕シチャウゾ!」
まゆ「ぐはっwww若月○夫VOICEで逮捕しちゃうぞはマズイよ?」
★鷹男は隊士や他の鎹鴉に鷹男さんと呼ばれています。熊鷹なので迫力もあり、兄貴肌なので一部では鷹男の兄貴と呼ばれています
入隊から三ヶ月余り、巌勝は早くも鬼の五十体討伐を達成し月柱への昇格となったのだ
巌勝「私は強さを認められたのか…」
鷹男「三ヶ月デ柱カ、ヤバイナ。早イ!!マジデッパナイワ」
まゆ「抜かされちゃった…」
縁壱「まゆも柱だろう?」
巌勝の方が強いと頭では分かってはいるが少々悔しく思い、縁壱に抱きつき頭を撫でてもらっていた
巌勝「まゆは女子なのに…とても強くて…尊敬している」
巌勝はまゆを見て眉毛を下げながら言う。その言葉に「照れます♪」と機嫌を直すと、二人はホッと胸を撫で下ろした
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