第5章 回りだした歯車が鋭すぎる
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巌勝「時に縁壱、まゆに月の呼吸を教えたい。女子故に、切り札は多い方が良いだろう」
まゆ「えっ…宜しいのですか?凄く嬉しいです!」
縁壱「流石兄上です。まゆの事をよく考えてらっしゃる」
まゆは女である、故に男とは筋肉の量も体格も違う。いざとなった時に切り札が多い方が良いのは当然である
巌勝「男と女では筋肉の付き方も違うからな。どんな状況でもどんな体制でも出せる様な、まゆに合った技が見つかれば良いかと…(まゆが月の呼吸を使う姿が見たい。縁壱ではなく私の呼吸を…)」
愛するまゆに死んでほしくない。そして自分と同じ呼吸を使ってほしいという巌勝の男心であった
巌勝とまゆは日柱邸の道場で稽古中である。縁壱は用事で朝から本部に出向いている。今は巌勝の望み通り二人きりだ
巌勝「まゆ、月魄災禍は自分なりに使いやすく構成しても良いかと思う。基本を押さえた上で、同じ技でも様式を増やす感じでな」
まゆ「あー、それなんですけど月魄災禍って前動作いらないじゃないですか。だから後ろに飛びながら仕掛けられたらとは思います」
巌勝は様式を増やしたらどうかと提案し、まゆも折角だからと自分の意見を言った
巌勝「良いな、流石はまゆだ。技は出来ているし威力も申し分ない。その方向で行こう」
まゆ「はい!」
まゆは褒められて嬉しかったのか、真剣だった顔がヘニャッとなる。巌勝はその可愛さに思わずまゆを抱きしめ額に口付けを降らせた
まゆ「ひゃっ、巌勝お兄様それは…///」
巌勝「すまぬ、つい…(いかんいかん!抑えが効かぬ…)」
巌勝の行動にまゆは顔を紅潮させている。巌勝も少々興奮気味なのか、欲望を抑えるのが大変そうだ
まゆ「あっ、嫌とかじゃなくて、そこ迄なら良いけど、それ以上はと(本当は、もっと………)」
巌勝「分かっている。そこ迄で我慢しよう(幼馴染としてまゆが良しとする境界線がイマイチわからぬが…良いなら、そうさせてもらおうか…)」
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