第5章 回りだした歯車が鋭すぎる
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昼餉を食べ終えた三人は本部に来ていた。巌勝が御影兄弟を見つけると、稽古場から離れた場所に誘った
巌勝「隼人殿達に話があります…」
隼人「むっ?」
孝之「巌勝か…」
旬「どーした?まゆの事か」
竜「……………(チっ、ここに居るのは強いから歓迎だがまゆと、どーこうは歓迎できねー)」
まゆは巌勝が御影兄弟の居る場所に走り出した背中を見つめ心配そうにしている
まゆ「縁壱お兄様ぁ、私も行った方が良いですよ絶対…」
縁壱「兄上が何とかする。信じて待とう」
まゆは「でもっ」と言い続ける
まゆ「兄さん達は巌勝お兄様に対して怒ってません。しかし兄さん達は私と縁壱お兄様にくっついてもらいたいみたいで…複雑なんですよ」
縁壱「兄上は大丈夫だ(私とまゆが…それが現実になれば幸せだ…しかし私は、二人を見守ると決めたのだ…)」
一方巌勝は…
巌勝「そうです…まゆと朝方話し合いを致しました」
巌勝は朝方話した内容を御影兄弟に淡々と話をしていくが、その中で竜がキレ始めた
竜「っざけんな!あん時、まゆがどんだけ泣いたか知らねーだろ。例えまゆから身を引いたとしても、お前が好きだから最後にせめてと初めてをお前にやったんだろが!!!」
巌勝「分かっている。言っただろう、私とてまゆと別れたくなかった!!」
ガコッ
あの時と同じ台詞でデジャヴである。竜の性格上、こうなる事を巌勝もわかっていた
竜「お前との最後の日の夜、まゆは母上に私を綺麗にしてくれと言ったんだよ巌勝、お前に抱かれる為に覚悟決めてよぉ…わかってて俺等は送り出した!俺が怒ってんのは漢を見せねーまままゆを手放した事なんだよ!!」
巌勝「頼む、頼みます!今は幼馴染としてだけで良い、だからまゆと共に在る事を許してくだされ!!」
巌勝は涙を流し、地面に手を付き頭を下げた。だが竜以外は喋らず、他の兄弟達は言葉を探しているのが現状だった
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