第3章 ♡そこは狂った愛の底♡ ※ヤンデレ
「夢乃、立てへんの?」
零一が手を差し伸べて、夢乃は涙を拭いながらその指先を掴む。
「どこか痛いんか?怪我は?」
身体を起こして心配してもらうと、夢乃の目からますます涙が溢れていく。
「……目、に埃みたいなのが入って…い、痛い、の」
「そっかぁ。ほな、お兄ちゃんが取ったげる。目、開けてみ」
言われるままに目を開けると、零一が屈んで目の前まで来ていた。
夢乃の瞼を指で押さえて、開いた唇の間から赤い舌が近付いてくる。
「零一お兄ちゃ……」
何するの?と、言い終わる前に、夢乃は小さな身体を震わせた。
零一の濡れた舌が夢乃の瞳を丁寧に舐める。
「あ……えっ……」
「じっとしといて、うまく取られへんやろ」
何をされているの分からず逃げようとしたが、零一から止められて言われた通りに静かにする。
いつもそうだ。
嫌だなって思うのに、夢乃は零一の言うことに逆らえなかった。