第3章 ♡そこは狂った愛の底♡ ※ヤンデレ
「夢乃は今、いくつ?」
「……五つ」
いきなり名前を呼ばれたことに驚きつつも、小さく答えた。
「ほな僕とは十離れてるんやね。今日から夢乃は、ここの子になるんよ」
「………え?」
「夢乃には育ててくれる親がおれへんやろ?せやからうちで預かることになったんや。夢乃は僕の妹になるんよ」
零一は屈んで、夢乃の目線に合わせるとまじまじと小さな娘を見つめた。
「まだ分からへんかなぁ?でも、ここで暮らさな夢乃は他に行くところがないんやで。一人ぼっちは嫌やろ?」
「う、うん…………」
言葉通り夢乃には零一が何を言っているのか、よく分からなかったが、ただもう自分は母とは会えないことと、今日からここで暮らさなければならないことは理解できた。
俯く夢乃に零一が、微笑みかける。
「夢乃がお利口さんにしていたら、お兄ちゃんがずっと一緒にいてあげる。せやから素直に言うこと聞くんやで」