第3章 ♡そこは狂った愛の底♡ ※ヤンデレ
少年は夢乃をジッと見つめている。
赤く薄い唇、漆黒の髪色と瞳がその白い肌によく栄えていた。
まだ幼い夢乃でさえ、まるで人形のような美しい人だと思った。
「あら零一さん、お久しぶりね」
大叔母が少年に向かってそう呼びかけた。
少年は夢乃から視線を外して『お久しぶりです』と礼儀正しく答える。
すると座敷の方から夢乃達を呼ぶ声が聞こえて、こちらに来るよう催促された。
大きな部屋に通された夢乃は大叔母の横にちょこんと座り、上座であぐらをかく体格のいい男を見つめた。
この男が夢乃の叔父でこの屋敷の主らしいが、今まで会ったことはないし、妙に威張っているような気がして、あまりいい気持ちがしなかった。