第2章 ♡アラブの王様に飼われるお話♡
いやらしく、見下すような声音が降ってくる。
ねっとりと触れてくるてが、気持ち悪い。
いや、来ないで……私に、触らないで……!!
「──────っ!!!」
ガバッと跳ね起きる。
荒い息が静かな寝室に響いた。
(……ゆ、め………?)
薄暗い室内に、先程の機械音や悲鳴は聞こえない。
身体は冷や汗をかいていた。
バクバクと心臓の音だけがうるさい。
「どうした。眠れないのか?」
優しい声が聞こえて見上げると、いつの間にか起きていたライールが夢乃の側に立っていた。
伸ばされた手が、夢乃の頬に張りついた髪を払ってくれる。