第2章 ♡アラブの王様に飼われるお話♡
「怖い夢でも見たのか?さぁ、おいで」
「ライールさま……きゃ!」
急にふわりと抱き上げらる、夢乃は思わずライールにしがみついた。
そしてそのままライールのベッドへと横になる。
「大丈夫。怖い夢は私が追い払ってあげよう」
そう言ってライールは夢乃を強く抱き寄せて、頭の上でピクピクと震えている猫耳に口付けをした。
「んっ……」
歯は立てずにやわやわと唇で耳を食まれた夢乃は、ビクンと身体を震わせて、耳から伝わる甘い感覚に戸惑う。
「あ……ん……ふ、ぁ……」
無意識に夢乃の瞳がとろりと蕩ける。
気持ちが良くなって睡魔が襲う。
コテン、と小さな頭がベッドに沈み込むと、スゥスゥと子供のような寝息が響いた。
「おやすみ。私の可愛い夢乃」
ライールが唇を放せば、耳の内側が薄桃色に色付いている。
「早く私に落ちてごらん。そうすれば怖い夢を見ることもなくなるよ。お前はただ、私に甘やかさて愛されていればいい」
そう優しく夢乃を撫でるライールの表情は、笑みの中にひっそりと狂気を含んでいた。