第1章 ♡うちの姪がビッチすぎて困る♡ 完
「アイツ子供いたのかよ……んで、今どこにいんの?」
「ママは台湾に行きました」
「国外逃亡?ついに何かやらかしたのか!?」
「いいえ。彼氏と一緒に世界を回るそうです」
「…………ちょっと詳しく話聞かせてくれる?」
俺も休日で寝ぼけていたから、ひとまず部屋に上げて事情を聞いた。
夢乃が語ったところによると、昔から自由奔放だった妹は、新しくできたヒッピーの彼氏と世界を回るさすらいの旅へと出たらしい。
さすがに子供は連れてけないので、実の娘と全財産を俺に託し後はよろしくと日本を去ったとのこと。
「──んで、君はひとり残されたというわけね」
夢乃はこくりと頷いた。
「でも、私も一緒に行きたくはなかったので、おじさんが居てくれて助かりました」
「いや了承した覚えはないけど?こんな大きい姪っ子がいたことさえ知らなかったし」
すると夢乃は一枚の写真を俺に差し出しす。
中学の入学式だろうか。校門の前で並んだ夢乃と涼香が写っていた。