第2章 ♡アラブの王様に飼われるお話♡
丁度口の周りについたミルクを、ライールが優しく拭う。
彼は夢乃を仔猫だと言うが、その愛玩は普通ではないような気がした。
お腹が満たされた夢乃は即されるまま、ライールの膝に頭を預けて本物のネコのように寝そべるのだ。
ライールは片手でヨシヨシと夢乃の髪を撫でたり、ピコピコと動く耳に触れたりしながら書物を読んでいる。
そんな時に、一人の使用人がスっとやってきて、ライールの前に盆を差し出した。
「ライール様。首輪が出来上がりました」
言われて、読んでいた書物を床に置き、首輪を手に取る。
首輪の側面には金のプレートが付けられており、夢乃とライールの名が刻まれていた。
これで夢乃が迷子になり、誰かに目を付けられたとしても、夢乃には既に主人がいると知らしめることができる。
「うむ。いい出来だ」
満足気にライールが頷いて、首輪を夢乃に付ける。
カチッと音がして、これでライール以外が勝手に首輪を外すことはできなくなる。