第2章 ♡アラブの王様に飼われるお話♡
再び使用人達が現れ、大皿に乗った様々な料理を運んでくる。
香辛料をふんだんに使ったそれ等は、匂いだけで空腹を刺激するが夢乃はネコ。
主人であるライールと同じ食事を食べることはできない。
ちゃんと夢乃用の食事が用意されるのだ。
夢乃の前に用意されたのは、食べやすく小さく切られたパンと柔らかく煮込まれた鶏肉、そしてマグに注がれたミルクだった。
夢乃はまだ食器が扱えない為、使用人が差し出すままにスプーンの上に乗った食事を口にする。
隣ではその様子を見つめながら、機嫌が良さそうにライールも食事を摂っていた。
残さず食べ終えると、使用人がライールへとマグを渡す。
ライールは夢乃を抱き寄せて、その唇にマグを近づけた。
なぜだか夢乃へのミルクは、ライールがやると決まっている。
「んっ…ん………」
流れ込んでくるままに、コクコクと喉を鳴らす。
さほど量が多いわけではないので、すぐに飲み終わった。