第2章 ♡アラブの王様に飼われるお話♡
猫の特性を夢乃は、自分が人間でないことや、愛玩用のペットである存在だということに驚いた。
だが、カイン曰く『小鳥の亜種のように籠に飼われるだけで一生を終えるしまうより、部屋に繋がれているだけのお前はまだ恵まれている』とのこと。
まだ首輪がない夢乃は迷子になっては大変だと、ライールが不在の時は足に柔らかい縄を結ばれて、部屋から出られないようになっている。
夢乃は暴れることもなく、最初にライールがいたクッションに身を填め大人しくしていた。
今日も夢乃がクッションに埋もれながら眠っていると、小さな足音が近付いてきて猫耳をピクリと動かせる。
「おや、起こしてしまったかい?」
優しく言うのは王宮での仕事を終えて帰ってきたライールだ。
夢乃が上半身を起こすと、ライールが器用に足の縄を解いた。
「やっと夢乃の首輪が出来たんだ。一緒に選ぼうか」
「………首輪……しなきゃ、ダメ?」
自分がたとえペット用の亜種だとしても、首輪にはまだ抵抗が残る夢乃は眉を下げてライールを見つめた。