第2章 ♡アラブの王様に飼われるお話♡
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夢乃がライールに拾われて数日が経った。
ライールは宣言通りに夢乃が何をしても怒らなかったが、ライール専属の付き人であるカイルは今だに夢乃の存在をよく思っていない。
度々、ライールがどのような立場にいる人物か、夢乃に説いていた。
その中で分からなかった〝亜種〟という言葉を知る。
亜種とは人間の身体と動物の特性を合わせ持った生物であり、人間の手によって生まれた存在である。
中でも夢乃のような見目麗しい亜種は、愛玩用として取り引きされていた。
亜種は動物の特性がある為、発情期が存在し、それは半年に一度訪れる。
だが、訪れる時期は個体により様々で、その為亜種の扱いは人間というよりもペットとして飼われることが多い。