第1章 ♡うちの姪がビッチすぎて困る♡ 完
「あーその顔、私のこと覚えてないでしょー!でもまぁ仕方ないかぁ、あの時は地味だったし」
「悪い……えと、名前聞いたら思い出すかも」
「秋川翔子よ。高校の時のクラスメイトの」
「秋川……え、えぇ!あの学級委員長の秋川さん!?」
それは間違いなく高三時代のクラスメイト名前だったが、俺の知っている秋川さんは『優等生』『模範的生徒』『文芸部』『メガネが良く似合う女子』という物静かで知的な少女だったはず。
「なんだ加賀美、知り合いか?そこで俺がナンパしたら一緒に飲んでくれるってよ」
なにしてんだよ稲田。てか、こんな偶然てある??
「加賀美さんと同級生っスか?めっちゃ美人さんですね!」
「ありがとー。ご一緒していいかしら?」
「どうぞ!一緒にのみましょー!」
動じない蒔田と秋川さんが和やかに話し始めたその横顔を、俺は狐に摘まれた心地で眺めた。