第1章 ♡うちの姪がビッチすぎて困る♡ 完
「加賀美さーん。聞こえてますかー?」
蒔田の声で我に返った。
「……ああ。大丈夫だ」
「完全にフリーズしてましたよ」
「なぁ。蒔田……」
「もしかして加賀美くん!?やだ、久しぶりー!」
突然横から誰かから話しかけられた。
艶っぽい声と華やかな香水の香りに目を向けると、目鼻立ちのはっきりとした美人が笑いかけている。
隙のないメイクと緩やかなウェーブがかかったロングヘア。
ピッタリとしたワンピースがメリハリのある身体のラインを浮き彫りにしている。
俺はその顔をマジマジと見つめた。
………こんないい女風の美人、知り合いにいたっけ?
どうにも見覚えがない。
でも今『久しぶり』って言ってたよな……そんなに飲んでないのに、もう酔っ払っているのか?