第1章 ♡うちの姪がビッチすぎて困る♡ 完
なんてこった。
夢乃の奇行が治って良かったと思っていたのに、まさか援交をしていたとは。
最悪だ……妹に合わせる顔がない。
今すぐ殴ってでも止めさせたい気持ちをグッと堪えて、冷静に夢乃と向き合う。
「……今の小遣いじゃ足りないのか?」
「ううん。別にお金が欲しいんじゃないし」
「ならなんだよ」
「透くんがえっちなことさせてくれないから、当てつけ」
………なんだそれ、俺のせいなの?
当てつけの為に普通そこまでする?
ジッと見つめる夢乃の目は嘘をついていない。
「………なら、俺が言うこと聞いたらもう援交なんてしないか?」
「うん。しない」
「本当だな?」
「絶対に約束する。透くんにしかえっちなことしない」
加賀美透。四十歳。
人生で初めて真っ当な道を外れた瞬間だった。