第1章 ♡うちの姪がビッチすぎて困る♡ 完
……だって、勃ちそうだったんだよ。
あのままでは夢乃にバレていた。
それを回避しようとするあまり、思わず手で止めてしまったのだ。
以来、夢乃がグイグイ迫ってくることはなくなった。
よくやく分かってくれたかと、安堵していたある日のことソレに気付いたのは夕飯を食べている時だった。
ボタンが開いたシャツの隙間から、虫さされのような赤い跡が点々と散っている。
「首のとこ蚊に刺されたのか」
「……違うけど」
プチトマトを箸でつつきながら夢乃が冷めた声で言う。
下を向いて目を合わせようとしない。
「違うならなんだよ」
「キスマーク」
「はっ………」
唖然として箸を落とす俺に構うことなく、夢乃が淡々と続ける。
「彼氏じゃないよ。駅で声かけてきた知らないサラリーマンの人、制服着て首にキスしたり触らせるだけでお金くれるってゆーからまぁいいかなって」
聞きたくなかった事ばかり告げられて、頭を抱える。
それはつまり、援交……未成年売春だ。