第1章 ♡うちの姪がビッチすぎて困る♡ 完
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今日も懲りずに夢乃は俺の帰りを待っていた。
「透くんおかえり♡」
「……ただいま」
しかも呼び方が『おじさん』から『透くん』になってるし、力なく返事をしてスーツのジャケットを脱ぎながら部屋の中へと入る。
クローゼットを開けた時、夢乃が俺の隣へとやって来た。
「……やましいことならしねぇぞ」
「違いますー。ねぇ、ネクタイ取らせて」
………まぁ、そのくらいならいいか。
変な要求をされるより幾分かマシだと思い了承すると、夢乃はぎこちない手つきでネクタイを外し始める。
ふと、目線を落としてその真剣な顔を観察した。
(顔は間違いなく可愛いんだよなぁ)
俺と同じシャンプーを使っているのにサラサラの髪、吹き出物ひとつない白い肌、女子らしい細くて丸みのある身体のライン。
蒔田がうっかり手を出すのもわから……ない。
それなはない。
結び目が解かれたネクタイがシュルシュルと襟から抜けていく、夢乃のシャツの間からブラがチラチラと見える。
ボタン開けすぎだろ、谷間も見えてるし…………って、んん?
自分の下半身に起こった異変に気付いたのと同時に、夢乃がベルトを外しにかかっていたので咄嗟に目の前の手を掴んでしまった。
「……これ以上はダメだ」
夢乃は大きな瞳をウルっとさせて、俺を見つめる。
……え?まさか泣かれる?
身構えていると夢乃はくるりと背中を向けて、そのまま自分の部屋へと引っ込んでしまった。