第3章 ♡そこは狂った愛の底♡ ※ヤンデレ
惇吾の言葉に夢乃は衝撃を受ける。
自分と似た境遇の惇吾は、母親を世界一だと言った。
「夜の仕事って、男の人を喜ばせてお金貰うお仕事でしょ!?わたしのお母さんもしてたけど、惇吾くんは恥ずかしいって思わないの?」
捲し立てるように話すと、惇吾は一瞬驚いた顔をしてすぐにふっと顔を緩めた。
「どうして?俺を育てるために一生懸命に働いてくれたんだ。どんな仕事をしてたって恥ずかしくないよ。夢乃ちゃんのお母さんだってそうだったんじゃない?」
「あ…………」
惇吾は自分とは違い、水商売をしていた母を少しも恥ていなかった。
それは夢乃の心を救うと同時に、母を軽蔑していた自分の方が恥だと思った。
「……惇吾くんは、すごいね。大人の人みたい」
「え、そうかな?」
そう笑う惇吾の素直で優しい笑顔を見て、夢乃は胸がトクンと高鳴った。
惇吾の瞳は零一とは違い、人を安心させるような太陽のような温かみがある。
この笑顔をこの先もずっと見ていたいと、夢乃は思った。