• テキストサイズ

【鬼滅の刃】ウタカタノ花~血戦編

第2章 幕間~紡ぎ歌(胡蝶しのぶ編)


「あ、汐・・・さん・・・?」

しのぶはか細い声で汐を見上げるが、その目は明らかに焦点があっておらず、素人目で見ても尋常ではないことはわかった。

「ああ、すみません。少し眩暈を起こしてしまって。でも大丈夫ですよ。心配しないでください」

しのぶはそう言って笑うと、机に手をかけて何とか立ち上がろうとした。だが、その足ははっきりとわかる程震えており、自力で立てるとは思えない。

「ちょっと、全然大丈夫に見えないわよ。足が震えているじゃない!」
「大丈夫ですから、私に構わないでください」

しのぶはそう言って汐の手を振り払った。だが、やはり大丈夫には到底見えなかった

「しのぶさん、ごめん!」

汐はそういう否や、ふらつくしのぶの身体を抱き上げた。

「!?」

しのぶは驚いた顔で汐を見、慌てた様子で言った。

「な、何をするんですか!?大丈夫ですから、おろしてください!」

しかし汐はしのぶの言葉を無視すると、寝室の方へ向かおうとした。

「聞こえませんか!?下ろしてと言っているんです!!」

しのぶは先程よりも強い口調で言うが、汐は聞き入れない。

「下ろしなさい!!」

しのぶが強い命令口調で言うと、汐は足を止めてしのぶを睨みつけた。

「うるさい!!」

汐の大声に、しのぶは思わず肩を震わせた。

「こんな顔色の人間がいるか!!体調が悪いのに柱もなにも関係あるか!!」

汐はしのぶを怒鳴りつけると、そのまま寝室へと運び込んだ。
/ 75ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp