第4章 無限城<弐>
『・・・・・』
汐は唖然としてしのぶをみた。しのぶはにこにこと笑みを浮かべ、汐を見つめている。
『あ、そう。でもいいんじゃない!あたしだったらもっとボロクソ言ってやるけどね。この×××野郎!とか』
『流石にそこまでは・・・、というより女の子がそんなことを言ってはいけません。流石に下品すぎますよ』
汐は頭を掻き、困ったように笑った。そんな汐を見て、しのぶは心の中でつぶやいた。
(汐さん。あなたはきっとこの先の未来に必要な人だわ。だからこそ、カナヲにも言えなかった事を言えた)
しのぶは慌てふためく汐を見て微かにほほ笑んだ。
『汐さん。あなたに一つ頼みたいことがあります』
『何?』
汐が聞き返すと、しのぶはにっこりと心の底から笑みを浮かべて言った。
――これからもカナヲと、友達でいてあげてね・・・・