• テキストサイズ

【鬼滅の刃】ウタカタノ花~血戦編

第3章 無限城<壱>


「何故それを俺に頼む?」
「あなただから頼むのよ。あなたなら、情に絆されずにやるべき事ができる人だから」

汐は顔を伏せながら呟くように言った。

「だから、その時は「断る」

汐の言葉を遮って、義勇は静かに答えた。

「え?」

ぽかんとする汐に、義勇は更にづつけた。

「今はここを抜け、鬼舞辻無惨を討伐することだけ考えろ。雑念は迷いを生む。そして――」

――これ以上、誰かを悲しませるような真似をするな

義勇は静かにそう告げると、そのまま奥へと進んでいった。
その背中を、汐は嬉しそうな悲しそうな笑みを浮かべて、その後を追った。

義勇は静かにそう告げると、そのまま奥へと足を進めようとした。

だが、鬼の気配を感じてすぐさま振り返る。
すると、汐の死角から鬼が大口を開けて迫ってきていた。

義勇はすぐさま刀を抜こうとしたが、それよりも速く群青色の閃光が煌めいた。
そして間髪入れずに、鬼の頸が落ち灰となって崩れ去った。

「そうね。ありがとう」

汐は鬼の血を静かに払うと、刀を納めて歩きだした。
通り過ぎる汐をの姿を見送りながら、義勇は微かに目を見開いた。

(先ほどの反応速度、明らかに俺よりも速かった)

義勇は初めて汐と出会った時の事を思い出していた。

粗削りだったが、刀を初めて持ったとは思えなかった動き。

あの時とは比較にならない程、汐は強くなっていた。

(今の大海原の実力は、柱と同等、いや、それ以上かもしれない。継子の名は伊達じゃない)

義勇は汐の成長を驚き喜びながらも、危うさを感じていた。
/ 75ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp