第7章 調査兵団
星空も見ずに何度もキスを交わす カナコの唇が俺の唾液で濡れてカナコの欲情した顔が蒼白い月明かりに照らされた
地下街の頃のランプのオレンジ色とは違う
何度も体を重ねてるのに 月明かりに照らされたカナコの肌は妖艶さを増し俺の心臓が五月蝿く騒いだ
「リヴァイ…いやらしい顔してる」
「うるせぇな…分かってるよ」
カナコの手を俺の頸動脈に当てると カナコは笑い 「私と一緒」と言って俺の手を自分の首に当てた
確かにカナコの心臓も俺と同じくらい騒がしくて唇を合わせながらお互いに笑いあう
カナコが俺の髪に触れ頭を撫でる
「リヴァイ…何かあった?」
やっぱりカナコには隠せねぇか…
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ー1時間前ー
調査兵団の人気の無い倉庫で俺とファーランとイザベルは今回の仕事の話し合いをしていた
「荷物が少ないから見付けやすいと思ってたが…簡単にはいかないみたいだな 書類はそこらじゅうにあるんだが どれも見られても問題無いのばかりで肝心な書類は無かった…
イザベルお前なら大事な物はどこに隠す?」
「俺は腹巻きん中に隠してるぜ!……あっ!」
「エルヴィンが腹巻きしてるかは知らないけど 肌身離さず持っている可能性は高い
だから…今度の壁外調査がチャンスだ 壁外ならエルヴィンや他の幹部連中の注意は巨人に集中するからな 必ず隙ができると思う…リヴァイいいな?」
「あぁ…ただし俺1人で行く お前達は適当な理由を見付けて残れ」
「兄貴!なんでだよ!」
イザベルもファーランも不満顔だ
だが地下街では本気で逃げろと指示したが2人は隊長クラスじゃねぇ奴等に捕まった
ここに来て訓練を積んでるがはたして壁外で本当に通用するのか?
「俺達はまだ本物の巨人を見た事がないし壁外も初めてだ…行って帰ってくるだけで精一杯かもしれねぇ 俺だけならなんとかなる」
「兄貴!」
「俺とイザベルは無理だと言いたいのか?」
「そうだ俺の勘だ!」
「なんでだよ!臆病風なんて兄貴らしくないぜ!」
「できねぇならこの話しは無しだ!次の機会を狙う」
イザベルとファーランに背を向けて人気のない倉庫を後にした
見上げた空には月がでていて「カナコに逢いたい」と思った