第7章 調査兵団
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「やっぱりリヴァイの淹れる紅茶は香りが違うなぁ…」
「ほら 早く持っていけよ せっかく淹れてやったのに冷めるだろうが」
カナコはまだ俺に抱きついたまま頭に鼻を擦り付けて匂いを嗅いでいる
「何処にも行かないで待っててくれる?」
今日は随分甘えてくる…
調査兵団に来てから生活は変わった
4人での共同生活は終わり 俺とファーランは同室でイザベルとは同じ分隊だから寝る時以外はだいたい一緒にいる
カナコだけが俺達と離れてしまった その寂しさが溜まってるのだろう
「待ってるから行ってこい」
やっとカナコは離れてエルヴィンの所へ行った
依頼の【ある書類】ファーランが執務室に忍び込み探しているがまだ見つかってない
自由に幹部の部屋へ出入りできるカナコが協力できればとは思うが そういう事には彼女は全く向いて無い…すぐにエルヴィンは気付くだろう
カナコは俺達が裏で何かしている事に気付いている それを聞かないのは嘘が下手くそな自分を知ってるからで彼女なりの協力の仕方なんだろう
エルヴィンを殺す…とは思ってはねぇだろうな
しばらくしてカナコが帰ってきて
「エルヴィンが今日の紅茶は香りがいいって言ってたよ」と嬉しそうに言った
「カナコ少し散歩でも行くか?」
「行く!」
古城を利用した調査兵団本部はカナコが言うには「童話のお城みたい」だそうだ
所々に花壇があるが誰も手入れはしてなく今は草しか生えてない
「この花壇を手入れして花を植えていいかキース団長に相談したら勝手にしろって許可がでたから明後日の休みに花の種を買いに行こうと思うけど リヴァイは?」
「明後日は陣形の実戦訓練だと言ってたな」
「そっか…次は一緒に休みを取ろうね」
繋いだ手をギュッと握ってきたカナコはだいぶん寂しがっている
階段を登り人気のないテラスに出て星空を眺める 今日は少し雲が多かった
それでも限りなく広がる夜空は気持ちいい
「気を付けろよ」
テラスの端に2人並んで座った
ゆったりとした部屋着のワンピースを着ているカナコは少し寒いのか 二の腕を擦っていたから ジャケットを肩に掛けてやる
「ありがとう」
2人の時に見せるふにゃふにゃとした笑顔で言ってカナコが体を預けてくるから肩を抱き口付けをした